はじめに
2026年度京都大学工学部情報学科特色入試を受験しました。京大情報の特色入試は定員が少なく、ネットに情報が少ないため、体験記ということで内容をまとめてみることにしました。これから京大工学部の特色入試を受験しようと考えている人にとって参考になれば嬉しいです。
受験形態(2026年度)
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学校推薦型選抜
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共通テスト利用型(合計得点率が概ね8割以上であることが条件)
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共通テストの配点は、6教科8科目1000点満点(ただし、数学を200→250点に、国語を200→150点に換算)
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一般枠定員2名・女子枠定員2名(女子は一般枠と女子枠の併願可)
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2026年度の出願者数は一般枠16人・女子枠4人
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第1次選考(書類審査)合格者はそれぞれ4人・1人
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第2次選考(口頭試問)合格者はそれぞれ2人・0人
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共通テストを経た最終合格者は1人・0人。
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学びの設計書・顕著な活動実績の概要・推薦書(学校側で用意)の提出が必要。
受験結果
第1次選考・第2次選考に合格したが、共通テストの得点が換算後765/1000しかなく、合計得点率が概ね8割に満たず、最終選考で不合格。



各種日程
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出願期間:11月初旬
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第1次選考合格発表:11月末
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第2次選考実施日:12月中旬
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第2次選考合格発表日:1月初旬
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大学入学共通テスト受験
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最終合格発表:2月中旬
主な活動実績
※調査書に記載のものも含みます。
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2024年春季学術大会高校生ポスターセッションに出場
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Rolls-Royce & BAE Systems サイエンスキャンプ2024 予選会にて、BAE特別賞を受賞
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本校文化祭史上において初めてとなる、文化祭公式ホームページ「らくなび」の運営
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英検準一級取得
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柔道黒帯取得
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(AtCoder Beginner Contestで2問正解程度)※面接で言及のみ
第1次選考
概要
志願者は学びの設計書と顕著な活動実績の概要を作成して、推薦書も併せて出願期間内に大学まで郵送する必要があります。提出書類は必ず手書きで行うこと。修正テープも使用しない方が良いです。ちなみに宛先の「行」は「御中」等には変えずにそのまま出しましたが合格しました。
書いた時期・内容
夏休み前に T.era K.oya(放課後の学習支援自習室)で志望理由書のサポートプログラムの説明会があると聞いて参加し、その後から T.era K.oya で対策を開始しました。7月末から月に一度先生にアイデアを見てもらう時間を設け、9月は行事に全振りし、10月からは毎週先生に書類の添削を行ってもらいました。出願開始1週間前には、担任の先生や知り合いの京大M2の先輩に書類を添削してもらって、出願前には書類は完璧な状態になっていました。
学びの設計書は、UX指向のWebフレームワークを作るということをベースに組み立てました。募集要項の「求める人物像」を意識して書きました。
顕著な活動実績の概要は、ポスターセッション・サイエンスキャンプ・らくなびの運営の3つについて詳細に書きました。添付資料はポスターセッションのポスターと出場証明書のコピー・特別賞の賞状と当時利用したスライドのコピー・らくなびの運営報告書の3点を添付しました。らくなびの運営報告書については、自分で特色入試用に出願前に作りました。一応A4指定らしき記述が募集要項にありますが、そこまで気にする必要はなさそうです。僕は中にA4の紙を挟んだA4の冊子を添付資料として封筒に入れて提出しましたが、問題なく合格しました。
推薦書は担任の先生に書いてもらいます。ここに1学期の学校での成績順位が載ります。順位は評定で決まります。僕は1学期の評定がALL5だったので、普通科約400名中1位と書かれていました。これだけ見るとすごく賢そうに見えますが、全くもってそんなことはありません。
第2次選考
当日の流れ
集合は12月13日(日)13時20分に、吉田キャンパスの総合研究8号館北側。自分は30分前に一番乗りで到着し、外で待機。集合時間が近づくにつれてパラパラと人が増えて、受験者は合計5人。寒いので建物の中で待機して良いとの指示があった。
集合時刻になると、受験票の確認が行われた。完了後、受験者控室に誘導される。控室にて、色々と注意事項が説明された。特筆すべき事項としては、控室内において、電子機器類は使用できない(つまりiPad等は利用不可)こと、電子機器を用いない勉強はすることができること、受験者同士の会話はできないこと、時計は計時機能のみのものに限り、机の上に置くことができる(着用は不可)が、口頭試問の際に時計を持っていくことはできないこと、それから口頭試問の際は提出書類の控え(添付資料可・書き込みは不可)を持参できるということなどが挙げられる。また、控室内では飲み物は自由に飲むことができるが、お手洗いに行きたい際は、監督者に申し出る必要がある。
14時00分から、受験番号順に口頭試問が開始される。順番になると、試験監督に呼び出され、所持品を確認されたのち、口頭試問の場所へ誘導される。なお、控室から口頭試問の部屋まではそこまで遠くない(同じ建物の同じ階)。自分は5人中3番目だった。なお、1~5人目の口頭試問の時間は、それぞれ約35分, 40分, 53分, 55分, 48分だった。口頭試問終了後は、再び控室まで誘導される。
受験者5人全員の口頭試問が終了したのは17時56分だった。この後すぐに控室で解散となる。もともと募集要項には17時までと記載されていたので大幅に時間を超過したものと思われる。集合から解散まで約4時間36分あるので結構疲れる。また、控室で自分の番が来るまで待機する間は非常に緊張した。
終了後は速やかに退出するように求められる。
口頭試問の内容
引き戸の扉を開けて、面接室に入る。部屋はそれなりに広かった。面接官は4人だった。手前側に、受験者が座る机があり、受験者から見て、面接官4人が横並びに机に座っているイメージ。ホワイトボードが受験者側の壁にある。以下は試験監督と自分のやり取りである。※ただし、一言一句正確なわけではないので注意。また、書いたのが試験日から3か月後なので、いくつか内容が抜けている可能性がある。なお、以下では自分から見て左側にいた面接官をA、その人から右に順にB,C,Dとしている。
面接官B :「受験番号と氏名を教えてください。」
自分 :「受験番号XXXX、氏名はXXXXです。」
面接官B :「それでは、まず初めに3分程度で英語で自己紹介してください。」
自分 :(用意してきた内容を話す。但し、元々1分半程度で作ってきていたので、ゆっくりと話して、かつ必要に応じて内容の補足を入れることで何とか内容を肉付けした。しかし、受験終了後にこの時と同じ内容を、多少詰まりつつもしゃべってみたところ2分弱しかなく、恐らく本番は3分どころか1分50秒ぐらいで終わっていた可能性が高い。まさか3分も話させるとは思っていなかった。)
面接官B :「(英語で)プログラミングコンテストに出たことはありますか?」
自分 :”Yes, I have.”
面接官B :”How was the result?”
自分 :(ちょっと詰まりながら)”I could answer two of the six problems in AtCoder Beginner Contest.”
面接官B :「(英語で)開発時にAIを使ったことはありますか?」
自分 :”Yes.”
面接官B :”How?”
自分 :”I have used AI when I write codes. For example, when I create a static website, I write CSS based on codes written by AI.” ←かなり詰まりながら答えた
面接官C :「京都大学工学部情報学科を志望する理由について、1分程度で簡潔に述べてください。」
自分 :「大きく分けて二つあります。まず一つは、将来的に、UXを自動的に保証できるWebフレームワークを開発するためです。HCIなどの理論を学んだ上で、人間がストレスなく使える、また開発できる仕組みをフレームワーク自体に組み込みたいと思っています。もう一つは、京都大学の自由な学風のもとで、授業やサークル活動などを通じて、既成の枠にとらわれず、共に高い目標に挑戦できる多様な才能を持つ仲間を見つけて、フレームワークの共同開発を行いたいためです。」(事前に用意した内容を少し早口で)
面接官C :「大学で学びたいことについて教えてください。」
自分 :「学部4年間では、計算機科学コースを選択して、ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)やソフトウェア工学を特に学習したいと考えています。授業では理解に集中し、趣味のソフトウェア開発などで、学んだ内容を取り入れるなどして、知識の体系化を図っていきたいと考えています。(この後卒業研究のことについて言及した気がするが、後の内容と被るので割愛)」
面接官C :「卒業後の進路について、何か希望はありますか?」
自分 :「大学院に進学し、情報学研究科の社会情報学コースに進学し、共生デザイン分野でHCIを研究したいと考えています。特に京都大学の共生デザイン研究室では、一般的なHCIが焦点を当てる「どうすれば使いやすくなるか」ということだけでなく、インクルーシブデザインやMental Wellbeingに代表されるように、「どうすれば人間がより幸福に生きられるか」という点に焦点を当てられているかと思います。そのような視点は、Webフレームワーク開発だけでなく、今後、人が使いやすい・開発しやすいソフトウェアを設計して社会に貢献していく上で、必要不可欠であると考えています。」
面接官C :「大学院卒業後の進路について、何か考えはありますか?」
自分 :「まだはっきりとは決まっていませんが、今のところは、大学に残り、研究をつづけながら、企業と連携し、フレームワークの発展に努めようと考えています。」
面接官B :「HCIの中でもWebに絞った理由は何ですか?」
自分 :(まとめると)ホームページを制作する上で、開発者と利用者の視点の違いが気になった的なこと。
面接官B :(自分の答えを元にして)あなたのいう、その視点の違いとは具体的に?
自分 :ホームページ上のデザインに関して具体例を述べる。※結構取るに足らない内容だった。
面接官B :(何か1ターン挟んだ気がするが覚えていない)
自分 :(〃)
面接官A :「情報化社会において、様々な優れたエンジニアやシステムが普及している今でも、不便性が生まれている理由は何だと思いますか。」
自分 :システムなどの技術革新レベルに人間がついていけてない。また、先に作ってきた人に、利用者の視点が足りていなかったのではないか(←後から考えると、教授である面接官に対してコレはまずかったかもしれない)など。
面接官A:Webサイトは別に大した技術ではないが、それでも不便性が生まれるのはなぜ?
自分 :(どう答えれば良いか分からず具体的に)アクセシビリティ対応やユーザビリティの改善等、デザインに問題があるためと回答。
面接官B:AIをどのように活用すべきか。(質問内容をあまり覚えていない)
自分 :「AIに判断を委ねてはいけなくて、…」何かそれっぽいことを話した気がする。
面接官C:AIがある中でHCIはどう役立つか。(もしかしたら前とダブっているかも)
自分 :「そうですね。はやりAIは非常に進化していて、ちょっと否定するようなことになりますが実際アプリも全て作れるようなAIが出てきていると思います。それでも、人間がいかにコンピュータとコミュニケーションをとるかというところは必ず開発者が考えなければならないので、そこで必要だと思います。」(うろ覚え。自信なさそうにしゃべってしまった。)
面接官D:「HCIを学んだりフレームワーク制作をする等の専門的な内容は、大学に行かずとも独学で学ぶことができたり、あるいは他大学でも学ぶことができるなかで、あえて京都大学を志願した理由は何ですか。」
自分 :「そうですね。まずは、専門的な内容を理解するにあたって基礎的な理論の理解は不可欠ですし、総合大学として、例えば心理学的な側面でも最先端のことが京都大学だと思いますし、…。少し考えても良いですか?」
面接官D:「あ、大丈夫です。」
面接官C:「それでは、顕著な活動実績について、その概要を説明して下さい。」
自分 :「顕著な活動実績の概要に書いたこと全てですか?」
面接官C :「あー。えっとー。(隣の面接官Bと「どうします?」とか話す)」
「それではこちらの紙を。(ここで高等学校の学修の確認に移る)」
「それに記載されている問題を読んでください。」
問題は以下
関数$f(x)$が閉区間[a,b]で連続であり、開区間(a,b)で微分可能ならば
$$ \frac{f(b) - f(a)}{b - a} = f'(c) (a < c < b) $$
となる実数$c$が存在する。
面接官C :「それでは、まあこれは別に良いんですが、この定理の名前は何ですか?」
自分 :「平均値の定理です。」
面接官C:「それでは、この定理の意味することについて、後ろのホワイトボードを用いて説明して下さい。」
「閉区間・開区間が分からなければ説明しますが、大丈夫ですか?」
自分 :「大丈夫です。」
グラフ(右図)を描いて、ここの区間内で、ここの傾きと同じ傾きになる接線が存在するようなcの値が必ず1つ存在するみたいなことを言う。※細かい値等、本質的なこと以外は書かなくても大丈夫だと思われる。
面接官C:「cの値が必ず1つ存在とおっしゃいましたが、2つ以上存在する場合はありますか?」
自分 :「あります。」
面接官C:「それでは次に、前提を打ち破って、その定理が成り立たないような状況をホワイトボードで示してください。」
自分 :「(緊張していたのか上手く理解できず)すみません、もう一度お願いできますか。」
面接官C:「それでは、この定理の内容を読み上げてください。」
自分 :読み上げる。
面接官C:「それでは、最初の条件を無視して、定理が成り立たない場合を前のホワイトボードを使ってグラフで示してください。」
自分 :とりあえず連続性を失ったグラフを描く。(右図)
面接官C:「(グラフ上で、x=c上に黒点が2つあったので)その関数のx=dでの値はどうなっていますか?」
自分 :「あ、下は白丸の方が良かったですね、すみません。」
面接官C:「それでは、そのグラフの内容を説明して下さい。」
自分 :x=cにおける関数の値と左右の極限を説明したのち、グラフの傾きが定義域内でf(b)-f(a)/b-aと等しくならないので定理が成り立たないことを直感的に説明する。
面接官C:「はい、今連続性を断ち切ってもらったかと思います。次に、微分可能性を断ち切って、定理が成り立たない場合を前のホワイトボードで説明して下さい。」
自分 :連続性を維持しつつ微分可能性を断ち切ったグラフを描く。(右図)
(後から考えると、連続性を切っている時点で微分可能性も切れているはずなのだが…)
面接官C:ちょっと笑いながら(グラフの形が個性的だったからだろうか)「では説明して下さい。」
自分 :x=cにおいて、傾きの左側極限と右側極限が異なり微分可能でないことを説明し、また同様に傾きの議論から定理が成り立たないことを説明する。
面接官C:「はい、結構です。」
問題が書いてある紙を交換する。
「それでは、次にこの問題を前のホワイトボードで解いてください。丁寧な答案でなくて構いません。」
問題は以下
$x \geq 0$ の時、
$$ f(x) + \int_{0}^{x}{e^{t}f(x - t)}dt = \frac{2x}{x^{2} + 1} $$
を満たす関数$f(x)$を求めよ。
自分 :うわ、積分かよ…とか思いながら頑張って問題を解く。※結構ゆっくり
$x - t = s$ で置換したのち、$f(x) + e^{x}\int_{0}^{x}{\frac{1}{e^{s}}f(s)}ds = \frac{2x}{x^{2} + 1}$ …① までたどり着き、$e^{x}\int_{0}^{x}{\frac{1}{e^{u}}f(u)}du$ を部分積分しようとしたところで面接官Cに止められる。
面接官C:「今、何をしようとしていますか?」
自分 :「sの式にできたので部分積分しようかと…」
面接官C:「それよりもっと良い方法があるのですが、思いつきませんか?」
自分 :「式全体を微分するとかですかね。」
面接官C:「やってみてください。」
自分 :やってみる。
面接官C:「右辺は適当にダッシュでくくってもらって…( $= (\frac{2x}{x^{2} + 1})'$ )」
自分 :$f'(x) + f(x) + e^{x}\int_{0}^{x}{\frac{1}{e^{s}}f(s)}ds = \left( \frac{2x}{x^{2} + 1} \right)'$…② と書く。
②を更に微分した式を書き、なんとなく式に規則性があることに気付く
改めて①の式をきれいに書きなおす
②-①より、$f'(x) = \left( \frac{2x}{x^{2} + 1} \right)' - \frac{2x}{x^{2} + 1}$ と書く。
面接官C:「はい、ではそのまま求めてください。」
自分 :$f(x) = \int_{}^{}{f'(x)dx} = \frac{2x}{x^{2} + 1} - \log\left( x^{2} + 1 \right) + C$ となり、
①に $x = 0$ を代入して $f(0) = 0$ となるから、$C = 0$ 。
よって $f(x) = \frac{2x}{x^{2} + 1} - \log\left( x^{2} + 1 \right)$
面接官C:「はい、結構です。」
「では次に、顕著な活動実績に関係する科目についての高等学校の発展的内容に基づいた試問とありますが、(周りの面接官とコンタクトをとりつつ)大丈夫ですかね?」
面接官B:「もう聞きましたからね。」
面接官C:「それでは口頭試問はここまでです。控室にお戻りください。」
感触
控室に戻った際、まず思ったのは、「これ、落ちたな…。」と。特に京都大学でなければならない理由を上手く説明することができなかったのが心残りだった。仕方なく一般入試で頑張るかとあきらめる気持ちだった。
対策・注意点
口頭試問については、募集要項で「口頭試問では、提出書類の記載事項の確認、高等学校での学修の確認、顕著な活動実績に関係する科目についての高等学校の発展的内容に基づいた試問、英語による自己紹介などにより評価します。」と説明されている。実際、試験官もこれに従って選考を行っているようである。それぞれの順番と共に注意点を挙げておく。
英語の自己紹介
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今回は3分程度必要だった。長さに応じて柔軟に内容を膨らませたり縮めたりする必要がある。
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内容について英語で聞き返されるケースがあるので注意。質問内容はいたってシンプルで簡単である一方、英語で瞬時に回答を作るのが難しい。自分の得意分野の英単語や表現はある程度覚えておくと有利か。専門的な内容が絡むと表現に詰まりやすい。
提出書類の確認
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志望理由についての定番の質問から、AIの活用方法や社会問題に関する問いかけまで様々。志願者が求める人物像に合っているかどうかを測っているものと思われる。
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学びの設計書について、提出したものに関する質問はされなかった。例えば、「提出された学びの設計書の5行目にUX指向のフレームワークとあるが、これはどのようなものか」みたいに細かい質問はされなかった。
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志望理由からどんどん深堀していくイメージ。特に志望理由に活動実績を絡めると説得力が増す可能性大。
顕著な活動実績に関する高等学校の発展的内容に基づいた試問
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恐らく面接時間が長くなったら飛ばすor後回し?今回は後回しになって結局もういいよねとなって(恐らく時間的にもかつかつで)行われなかった。
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実績でよくある「最も苦労したこと」とか「そのWebサイトってどんな構成で運用したのですか」といった定番の質問は一切されなかった。
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例えば基本的な学術研究の流れ・データ型・プロトコル・AWSの扱い等の専門的な、いかにも発展的な知識は聞かれなかった。
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自分は顕著な活動実績の概要に、実績そのものだけでなく、そこから学んだ内容まで詰め込んでいたため、聞こうとしたことが既に書いてあったというのもあるかもしれない。
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今回は色々と聞かれなかったことが多いが、面接時間によっては聞かれる可能性も十分あるので、定番の質問はすんなり答えられるように対策するべき。
高等学校の学修の確認
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数学Ⅲの内容の確認だった。特に情報学科は入学後数学の履修単位が他学科より多いみたいな話もあるので、基本的な計算力が試されるみたい。もちろんホワイトボードを用いて。共通テストでは数Ⅲが課されないので、それも踏まえてのことだろう。
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今回出題されたのは、平均値の定理と積分方程式。平均値の定理については、グラフを用いた図形的考察ができれば難しくない。積分方程式についても、きちんと演習を積んでいる人であれば難なく解ける問題。まあ自分は手を焼いたが...。ただし、完全に推薦狙いで数Ⅲの勉強をまともにしていない人にとっては厳しいと思う。
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万が一問題を解いている途中で間違った方向に進んだ場合は面接官が止めて誘導してくれるので安心すべき。ただ、あくまで自分で考えるというスタンスは崩さないこと。ろくに思考もせずに分からないと諦めるのは厳禁。
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ちなみに今回計算問題の題材として扱われたのは、どうやら信号処理の世界で「線形システム」の挙動を表す基本式らしい。余裕があればその辺りの式を検索しておくといいかも??
感想・後輩へのアドバイス
まずは模擬面接や書類の添削でお世話になったT.era K.oyaの先生と学校の先生方、そして知り合いの京大生の先輩に感謝します。おかげで2次選考まで合格を勝ち取ることができました。
アドバイスすることとしては、特色入試の「求める人物像」に沿った人間であるように努めることです。書類の作成から口頭試問まで、自分が「求める人物像」に沿った人間であることを常にアピールし続けるべきです。また、早めに対策を始めることも重要です。特に書類選考は、例えるなら制限時間無制限の小論文みたいなものです。早めに始めて、ゆっくりアイデアを練るべきです。焦ってしまっては良いものができません。
しかし一方で、自分は共通テストという、取れて当たり前のところで基準に達することができず不合格となってしまいました。お世話になった人には大変申し訳ないと思っています。直前期は安定して合計得点率8割を取れていたのですが、本番で大失敗という感じです。新課程2年目の傾向変化に対応できませんでした。原因はさまざまですが、やはり10月以降、行事が終わり勉強に全集中しなければならない時期に、特色入試の対策で勉強時間を削られたのは大きかったと思います。それだけでなく、何をしていても頭の中のどこかで特色入試のことを考えていたりしたので、勉強時に集中が切れることも多かったです。要するに切り替えができていなかったわけです。結果、僕は京大の一般入試で情報学科どころか電気電子工学科・地球工学科すら合格することができませんでした。
以上の経験から、情報学科の場合、切り替えがそこまで上手くない人は、普通に一般入試に全力を尽くすのも手です。ただ、情報学科は一般入試でも非常にレベルが高いので、少しでも実績があるなら特色入試にも出願すべきだと思います。もし特色入試に出願すると決めた場合は、今後の勉強時間の減少を見越した学習を行いましょう。特に、僕みたいに普段の全統マークで7割5分未満の人は、多少2次力が弱かろうと、共通テストの対策を早めに行うべきです。一般入試の場合は多少共通テストが悪くても、京大工学部は共通テストと2次試験の比率が225:800なので2次試験で挽回が可能ですが、特色入試は共通テストしかないので失敗すれば僕みたいに今までの苦労が全て水の泡になります。共通テスト配点が高い後期試験も厳しくなります。また、形式慣れで点数を伸ばすのはやや危険です。今回は新課程2年目だったので傾向変化が顕著でしたが、来年度必ず傾向が変化しないとも限りません。根本的な学力を身につけることを最優先に行ってください。各科目別の対策は割愛します。
もし2次選考に合格できた場合、残りは共通テストで8割取るだけになります。この時のメンタルも重要です。この時の僕は、例えるなら、共通テスト1日目の終わりに自己採点をして全科目満点だったような気持ちでした。要するに浮ついていたわけです。僕はあえて「8割さえ取れれば良い」というメンタルで臨んだのですが、結局これが裏目に出てしまいました。恐らく油断と焦りが合わさって思考が浅くなってしまうのでしょう。実際、本番では思ったより時間が足りることが多かったですが、その分思ったより点数が低く出ていました。取れるなら1点でも多くとろうと思うべきです。直前の予想問題で安定して8割取れていても気を抜かず、攻め続けましょう。
後輩たちには、僕と同じ過ちをしないよう心掛けてもらえれば幸いです。多分特色入試と聞くと、顕著な活動実績の概要の記入上の注意にあるように、科学オリンピック出場が当たり前と思われがちですが、全然そうでなくても1次・2次と合格できます。むしろ、共同開発や学術発表など、人とのコミュニケーションに関わるスキルがあると良いかも?実際、京都大学大学院情報学研究科では、就職の際にコミュニケーションスキルの不足から敬遠されることが増えているようですので、教授もそれを見越した選抜を行っている可能性があります。いずれにせよ、特色入試に出すと決めたなら、自分がやってきたことに自信を持ちましょう。頑張って下さい。
おわりに
最後まで体験記を読んでいただきありがとうございました。もし個別で相談等あればEメールで承ります。ただし、返事まで時間がかかる場合があります。ご了承ください。